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<ジュエルシード>―――! 我々は、この宝石を知っている! いや! この禍々しい輝きと忌まわしい魔力の淀みを知っている! この奇妙な物語の始まりを司り、中核を担う遺失物。 『願いが叶う』宝石。 その正体は、次元干渉型エネルギー結晶体である! 全部で21個あり、シリアルナンバーが各個に1~21と振られている(この数字は、実際にはローマ数字が使われている)。 能力的には、ナンバーに関係なく、全てほぼ同等だと思われる。 ジュエルシードは、遺跡探索を生業とするスクライア族によって発掘された。 この発掘作業の指揮をとっていたのがユーノ=スクライアで、発掘後の輸送中に原因不明の事故により、海鳴市近辺にばら撒かれてしまったのだ! 輸送時の管理に直接ユーノは関係していなかったが、それでも責任を感じたユーノは、独力でジュエルシードを回収しようとしたが、暴走したジュエルシードは手に負えず、傷を負って倒れたところでなのはと出会うことになる―――。 それが、『高町なのは』とその相棒『レイジングハート』が紡ぐ、長い戦いの歴史の……全ての始まりだった。 「アイツを……ジュエルシードを解き放ってはいけない!」 深夜。不吉で生暖かい風が吹きすさぶ中、なのはと、その傍に立つフェレットの姿をしたユーノは、眼前に聳え立つ巨大な影と対峙していた。 「アナタには素質があります! 『魔法』のパワーを行使する為の才能が! ボクに力を貸してください!!」 「……」 自らの無力を噛み締めながら、ユーノは出会ったばかりの少女の背中を見上げていた。 なのはの手には、つい先ほど渡したデバイス『レイジングハート』が待機モードで収まっている。未だなのはと契約も済ませていないこの状態で、デバイスの能力はほとんど発揮できないだろう。 しかし、奇妙な事になのはは怯えてはいなかった。 武器もなく、目の前には陽炎のように揺らめく黒く大きな影の化け物が蠢いている。そんな異常な状況下に立たされながら、しかしこの少女は、怯えて震える事もなく佇んでいるのだ! (なんだろう……この娘には、魔力の素質以外にも、言葉では言い表せない『凄み』がある!) ユーノは奇妙な感覚に捉われていた。 警戒すべきは、目の前で暴走するジュエルシードであるのに、意識はソイツと臆す事無く対峙するこの不思議な少女に吸い寄せられてしまう。 一般人を事態に巻き込んだ迂闊さを呪いながらも、『この少女なら何かを仕出かしてくれる』という、そんな妙な期待感があった。 「……ねえ」 「! ……な、何ですか?」 怪物と真っ向から睨み合っていたなのはから唐突に声を掛けられ、ユーノは思わず身構えた。 「この子、目とか口みたいなのがあるけれど、生き物なのかなァ……? ご飯とか食べるの?」 「え……ええ!?」 あまりに唐突で予想だにしなかったなのはの言葉に、思わず一瞬呆けてしまう。 「ねえ、アナタ……口があるんだから言葉は喋れないかなー? ハロォ~~」 この状況下で一体何を言ってるのか……? 混乱するユーノを尻目に、なのはは動物園で初めて見た動物と接するような態度で無防備に歩み寄っていた。 この状況下で一体何をやっているのか……? ついに少女の正気を疑い始めたユーノの錯乱振りをやはり気付かず、なのはは明るい身振り手振りのジェスチャーで蠢く影の化け物とコンタクトを取ろうとしていた。 「ご機嫌いかが~~~? ハッピー、うれピー、よろピくね―――♪」 「あ、あのぉ……?」 「ジュエルシードさん。さあ、ごいっしょに……さん、し―――ハッピー、うれピー、よろピくねー♪」 ……この少女は、ひょっとしてちょっぴりネジの緩い子なのではないだろうか? この緊迫した状況下で、全く事態を把握できていないとしか思えない程気楽な声でリズムを取るなのはの姿に、ユーノは別の意味で戦慄した。 ジュエルシードの暴走体がなのはの行動に律儀にも沈黙する中、ユーノはしばらくてようやく我に返った。 「―――って、君! 一体何してるの!?」 「いやぁ~、ひょっとしたらこの子いい子なのかもしれないと思って。ちょっと探りを入れてみてるの。 雪男やネッシーとかにも、出会った時悪い者と最初から考えるのは良くないと思うの、わたし」 「何をバカな! アレに考える能力なんてない、ただ暴れるだけの危険なモノなんですよ!」 「うーん、でも何事も最初はお話する事で歩み寄れると思うんだ。大切だよ、お話って」 「無理だよ! アレには会話するだけの思考力も―――来るッ!?」 なのはの独特のペースに巻き込まれそうになっていたユーノだったが、とうとう動き出した暴走体に感付き、警告を叫んだ。 黒い塊が空高くジャンプし、全身を使ってなのはを押しつぶそうと落下してくる。 これには結構呑気してたなのはもビビった! 「うわぁああああーーー!?」 慌ててその場から飛び退れば、一瞬遅れて黒い巨体が岩石のようにアスファルトへ激突する。地面と共に自らの体も弾け、暴走体の欠片が炸裂弾のように周囲に飛び散った。 ブロック塀は無数の弾痕を刻み、電柱はへし折れて倒れる。 「何、アイツすごく危険なヤツだよ!?」 「だからそう言ってるんです! さあ、早くレイジングハートの力を解放して! まず呪文を……」 一国の猶予も無い事を理解したユーノはなのはを急かす、が、しかし! 「……」 その時、なのはが意識を向けていたものはユーノの言葉などではなかった。 「……『アレ』……『アレ』はッ!」 「君、一体何を見て……!?」 なのはを叱責しながらも、視線を同じ方向に走らせてユーノはようやく彼女の注目する物を発見した。 それは、ついさっきまで『生物』だった『物』だった―――。 猫が一匹、死んでいた。 弾けた暴走体の破片を受け、首を抉るように吹き飛ばされたその仔猫は、どう見ても確実に死んでいた。 首輪も吹き飛んでしまったのか確認できない。あるいは、あれは野良猫だったのかもしれない。 しかし、重要なのは―――今ひとつの犠牲が出てしまったという現実だった。 「……急ぎましょう。これ以上犠牲を増やさない為に」 惨い死に様から思わず眼を逸らし、ユーノは苦い口調でなのはを促した。 猫とはいえ、この犠牲は自分のせいで起こったものだと言えた。 体を四散させた暴走体は、すでに再び集まり、形を取り戻しつつある。再び攻撃が可能な状態になれば、封印は更に難しくなるのだ。 ―――だが、ユーノが促すまでも無くッ。すでにッ! 「……戦いたくなったよ。アイツを博物館にかざってやる!」 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ 高町なのはは戦闘態勢に入っていたッ!! 先ほどの間の抜けた行動から一切を切り替えた『覚悟』に満ちた表情。 内に煮え滾る『怒り』を宿したなのはの横顔を見て、ユーノは全身に鳥肌が立つのを感じた。 今のなのははさっきとは違う。何らかのスイッチが入ってしまっている。 「この世で最も大切な事が『信頼』であるのなら、最も忌むべき事は『侮辱』する事なの。アイツは、あの無関係な猫の命を、たった今『侮辱』したッ! 『レイジング・ハート』!!」 『stand by redy.set up―――!』 「バ、バカな……! 正式な手順を踏んでもいないのに、レイジングハートが起動した!? それに……なんて魔力なんだ……っ」 なのはの手の中で赤い宝玉が光を放ち、ユーノはその有り得ない光に驚愕する。 レイジングハートがなのはの戦いの意思に呼応したものか、彼女の怒りの精神の波長がデバイスの何かに影響したのか……とにかく、デバイスはなのはを主と認めたのだ。 同時に告げる無機質な声。なのはは純白の光に包まれた。 その光の中でなのはの服は徐々に光と同化し、やがて光の粒子となって消え去る。 それとほぼ同時に別の何かが身体を覆い、新たな服を形作る。 デザインは装着者のイメージを基に―――完成する。なのはだけの『鎧』が! 「これは……?」 光がおさまった後には、その身をバリアジャケットに包んだなのはと、本来の杖の形状に変化したレイジングハートが佇んでいた。 「それが『魔法』です! どういうワケか、今アナタはレイジングハートの使い手として認められました。それによって、アナタを守る力が、その衣服になったんです」 「『魔法』……そう、わたしは『魔法少女』になったんだね」 さすがのなのはも驚きを隠せなかった。 漠然としていた未来の目標が、今唐突に自分の手に飛び込んできたのだ。 しかし、すぐに我に返った。 なのはの魔力の放出と光に、暴走体が反応し、ついに彼女に明確な意識を向けたのだ。虚ろな二つの眼球が、なのはとユーノを捉える。 「いけない、目を付けられた! とりあえず、何処かに隠れましょう。基本的な魔法の使い方も分からない今じゃ、真正面からアレに立ち向かうのは危険すぎる。まず様子を見て……」 「―――ううん、そんな事はしない! これが『いい』の!」 睨みつける敵を警戒しながら忠告するユーノに対して、しかしッ、なのはは逆にレイジングハートを構えた。 『え?』と呆気に取られるユーノを尻目に、視線を敵に向けたまま、先ほどの僅かな戸惑いを既に無くした凛々しい横顔でなのはが答える。 「この『敵に見つかった』状況。隠れるなんてとんでもない! これがいいの! アイツがわたしに意識を集中してくれる、この状況が『いい』んじゃないッ!」 「な、何を言っているんですか!? このままだとアイツはアナタだけを執拗に狙って……ハッ!!」 笑みさえ浮かべそうななのはの横顔を見て、焦ったユーノは引き攣った声で言いかけ―――その途中でなのはの意図に気付いた。 今度こそ、なのはは笑みを浮かべる。少女らしい無垢なそれではなく、牙を持った獣が歯を剥くような、闘争心に満ち溢れた微笑を。 「そう、それが『いい』―――アイツがわたしを狙う限り、これ以上無関係の犠牲が増える事は少なくなるからなの」 「……~~~ッ!」 ユーノ全身を冷たい感触が走り抜ける。それは戦慄だった。目の前の少女の、己の命を賭す程の『決意』に対する畏怖だった! 無謀と言えば、それまでかもしれない。 だが、そんな言葉で言い表せない『凄み』をなのはが持っている事を、ユーノは理解した。 いや、自分に彼女の決断をどうこう言う資格など無い。 自分が、自らの失敗に対する後悔や罪悪感でジュエルシードの封印に躍起になっていた時、彼女はすでに自らの意思で戦い守る事を『決意』し、『覚悟』していたのだ。確かな勝利へのビジョンを持って! ユーノはなのはという少女に圧倒され、愕然とした。 何も知らない少女を戦いに巻き込んだ、と気に病んでいながら、その実何も分かっていなかったのは自分ではないか!? 「アナタは……ッ、覚悟の上だというんですか……? 何故、そこまでして……」 「……この高町なのはには、正しいと信じる夢がある!」 なのはの発した曇りの無い言葉に、レイジングハートの輝きが応える。 その輝きは、ユーノにはまさに『黄金の輝き』に見えた。彼女の精神が放つ光と同じように! ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ 「『ジュエルシードは封印する』『この町も守る』 『両方』やらなくっちゃあいけないっていうのが、『魔法少女』のつらいところだね」 (か……彼女は、やっぱり違うッ! ただの女の子じゃない。 この娘……アイツを『倒す』気だ! ちょっと前までただの小学生だったのに、突然現れた得体の知れない怪物を倒そうとしている! 本気だ! 彼女には、『やる』と言ったら『やる』…………) そして、不気味に蠢くジュエルシードの暴走体に対して、なのはは自ら駆け出した。 (『スゴ味』があるッ!) 「―――『覚悟』はいい? わたしは、出来ている」 バ―――――z______ン! リリカルなのは 第一話、完! to be continued……>(各小ネタへ) <次回予告> CV:田村ゆかり わたし、高町なのは。 極々平凡な小学三年生のハズだったのですが……何の因果か運命か『魔法少女』に任命されてしまいました! 待ち受けるのは、どんな運命? でもどんな『運命』だろうと『覚悟』があれば幸福です。『覚悟』は『絶望』を吹き飛ばすからですッ! (ズギュゥゥ――z___ンッ!) あと、まだ名前も聞いてないこのフェレット君は家で飼っても大丈夫なんでしょうか? 次回、魔法少女リリカルなのは! 第二話『魔法の呪文は燃え尽きるほどヒートなの』 リリカルマジカルがんばります! 前へ 目次へ 次へ
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【三村信史@バトルロワイアル 死亡確認】 【ゴマモン@デジモンアドベンチャー 死亡確認】 【月宮あゆ@Kanon(ギャルゲロワ) 死亡確認】 【遠野志貴@月姫 死亡確認】 【知恵留美子@ひぐらしのなく頃に 死亡確認】 【八神はやて@魔法少女リリカルなのはStrikers 死亡確認】 【フェイト・T・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはStrikers 死亡確認】 【ティアナ・ランスター@魔法少女リリカルなのはStrikers 死亡確認】 【キャロ・ル・ルシエ@魔法少女リリカルなのはStrikers 死亡確認】 【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikers 死亡確認】 【エリオ・モンディアル@魔法少女リリカルなのはStrikers 死亡確認】 【チンク@魔法少女リリカルなのはStrikers 死亡確認】 【クアットロ@魔法少女リリカルなのはStrikers 死亡確認】 【クロノ・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはStrikers 死亡確認】 【ユーノ@魔法少女リリカルなのはStrikers 死亡確認】 [死因] 神剣魔法により爆散 【シエル@月姫 死亡確認】 [死因] 大量虐殺で爆死
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2009年 4月7日 更新履歴 ジャンル 魔法少女リリカルなのは&とらいあんぐるハート 魔法少女リリカルなのは~Sweet Lover Forever~ 魔法少女リリカルなのはSHINE第二部 2009年 3月25日 更新履歴 ジャンル 魔法少女リリカルなのは&とらいあんぐるハート 魔法少女リリカルなのは~Sweet Lover Forever~ 2009年 3月23日 更新履歴 ジャンル 魔法少女リリカルなのは&とらいあんぐるハート 魔法少女リリカルなのは~Sweet Lover Forever~
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【八神はやて@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS】 人間/女/19歳 声優:植田佳奈 短く切り揃えた茶髪。とても小柄な体格。 本来は温和で茶目っ気のある、家族愛に溢れた性格。だが現在はそれが裏目に出て、家族の為ならば如何なる非道も行う冷徹な性格となっている。ただし、それもかなり無理をしている状態。 時空管理局に所属、ヴォルケンリッターを率いる最後の夜天の主として知られる実力者。 本編が始まる1年前にゴジラと交戦、その際に多くの同僚を失い、また家族であるシグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラをゴジラ封印の媒介として失っている。 彼等が死ぬ前に取り戻す為、対ゴジラ戦力として10の怪獣達を使い魔にしようとしている。 原作の更に未来、という設定である為、生い立ちや能力に変更点は無し。ただし、性格がかなり歪んでいる。 面識のある参加者との関係 なのは&フェイト…………無二の親友。ただし、自分の方針とぶつかる事も多かったのでやや疎遠気味。 ヴォルケンリッター4名…………何が何でも取り戻したい大事な家族。 スバル&ティアナ&エリオ&キャロ…………自分の部下。 戦闘力分類…………準超人。 特殊能力…………リインフォース、或は闇の書の機能を支配する“管理者権限”。 技能 古代ベルカ式広域攻撃魔法…………リインフォースを用いる事で発動される、広域攻撃型の魔法。 収集行使…………他者のリンカーコアを吸収する事でその技能を複写する稀少技能。 制限…………技能で挙げた2つの能力はいずれも『闇の書』『リインフォース』が無ければ発動出来ない。
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前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ 食事の間、ルイズは心配になってきた。 ユーノはちゃんと食べているだろうか。 出された物が本当はフェレットに食べられない物じゃないだろうか。 心配になったので確認することにした。 (ユーノ、ユーノ。ご飯、食べてる?) 念話で話しかける。 (あ、ルイズ。うん、食べてるよ。おいしいよ) ほっとする。 (だったら、食べ終わったら教室に来てね) (うん、わかったよ) どうやら心配はなかったようだ。 食事に戻ったルイズは、弟ができたらこんなのかも知れない、そんなことを考えていた。 厨房の片付けをしていたシエスタは小さい何かを叩く音を聞いた。 トントントントン音がする。 耳を澄ませるとやっと音の方向がわかった。 入り口のドアが叩かれている。 だけど少しおかしい。 扉は普通、胸の高さで叩く物だが、この音は膝の高さくらいを叩いているように聞こえる。 それでも扉が叩かれているのには変わりない。 「はーい、待ってください」 小走りで扉まで行って、開ける。 「あら……?」 誰もいない。 左右を見回すが人影もない。 もう一回見回しているうちに足下から小さい動物の鳴き声が聞こえた。 「きゃっ!?」 予想外の物を見つけて声を上げてしまう。 「どうした?……こ、こいつは」 聞きつけたマルトーも来て目を丸くしてしまう。 二人の足下にはミス・ヴァリエールの使い魔のフェレットが皿を持って待っていたのだ。 渡したいように前に皿を出しているのでマルトーが皿の端をつまんだ。 「これでいいのか?」 マルトーが皿をしっかり持つとフェレットは前足を放し、1回お辞儀をしてどこかへ走って行ってしまった。 「随分丁寧な使い魔さんでしたね」 「ああ、いけすかねえ貴族どもの使い魔とは思えねえくらい丁寧なヤツだ」 二人はしばらく扉の前に立っていた。 ミス・シュヴルーズが教壇で話を始めたとき、ルイズは酷く落ち着かなかった。 「このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に様々な使い魔達を見るのがとても楽しみなのですよ」 さらにあわてる。無意味にきょろきょろする。 ユーノがまだ来てないのだ。 教室に来て、とだけ言って教室の場所を教えていなかったのであたりまえと言えばあたりまえである。 念話を使うとユーノがかなり近くに来ていたことがわかった。 「おや、ミス・ヴァリール。あなたの使い魔はどうしたのですか?」 「い、今ここに来てます」(早く来て、ユーノ) 声が少し裏返ってしまった。 「ホントは召喚に失敗したんじゃないのか。ゼロのルイズ。」 「なによ!あんただって見てたじゃない。私が召喚するとこ」 「じゃあ、使い魔に逃げられたんだぜ」 「逃げられてないわよ!すぐに来るんだから!!」 扉が少し動く。 少し開いた扉の隙間から入ってきたユーノは、ルイズの足下まで走ってくる。 (何してたのよ。おそいじゃない) (ご、ごめん) (いいわ。でも今度はもっと早く来てね) ユーノに手を走らせ、机の上に上げてからルイズはマリコルヌを睨んだ。 「ほら見なさい。ちゃんと来たじゃない」 マリコルヌは憮然として席に着いた。 「では、ミス・ヴァリエールの使い魔も見せていただいたところで授業を始めましょう」 生徒達がシュヴルーズに注目したのと同じようにユーノも注目する。 「なにか生徒が1人増えたような気がしますね」 シュヴルーズは杖を振りながら授業を始めた。 授業は今までの復習から始まった。 4つの系統の話から始まりドット、トライアングル、スクエアと言ったメイジのレベルの話をおさらいしていく。 生徒達は次第に集中力を失っていったが、ルイズの隣でユーノはシュヴルーズを熱心に聞いていた。 (ねえ、ユーノ。面白いの?) ルイズにしてみれば何度も聞いた話だ。 重要な部分であるのはわかるが、とうに聞き飽きている。 (うん、面白いよ。4系統は他の文明でもよく出てくるけど、ドットやトライアングルって言うのは珍しいね。どうなってるんだろう) そういえばユーノは遺跡発掘の仕事をしていたと言ってたから他の文明には詳しいのだろう。 といってもルイズにはフェレットが遺跡発掘をしている姿がどうにも想像できなかった。 ──世界ってもしかしたら私が思っているのよりずっと広いのかも知れない。 ルイズが世界の広さに思いを馳せている間も授業は進んでいく。 「では、この石を真鍮に変えてもらいましょう。誰にやってもらいましょうか」 シュヴルーズは生徒達を見回す。 「先生、僕が……」 ギーシュが立ち上がって薔薇をキザに振ったところでルイズは決心した。 先に立ったギーシュを押し切る声を上げる。 「先生!私がやります。やらせてください!!!」 あまり大きなの声だったで、みんながルイズを見る。 キュルケが顔を青ざめさせていた。 「ちょっと、ルイズ。本気?」 「もちろん本気よ」 「止めなさい!あなたなにをしようとしているかわかってるの?だいたい、あなたは……」 「ミス・ツェルプスト。それは言いすぎでしょう」 シュヴルーズが二人の間に入る。 「ミス・ヴァリエール。やってご覧なさい」 「はい!」 教壇の前に走っていく。 「見てなさい、キュルケ。絶対成功させてやるんだから」 ──そうよ、絶対成功するんだから。 ──自信があるんだから。 昨日の夜だってあんなにすごい魔法を使えた。 ユーノと念話だってできる。 そう、この数時間使う魔法は全部成功させている。 ──それに私にはこれがある。 「レイジングハート、手伝ってね」 「Yes.My master」 こっそりたのんでおく。 教壇に立つとキュルケはもう逃げる準備をしていた。 それに比べてユーノはしっかりこっちを見ている。 (ルイズ、がんばって) (あたりまえよ) まずはレイジングハートを起動……は止めておく。 変身した後の服のバリアジャケットはすごく素敵だがあまりによすぎて今みんなにお披露目するのは恥ずかしい。 なので杖を持つ反対の手でレイジングハートを握った。 ルイズは目をつむり、ルーンを唱える。 ふと思う。 ──もしかして力をもっと集中させたらすごい成功になるかも知れない。 力を集中させるには、あの言葉。 (リリカル、マジカル) レイジングハートに力が貯まっていくのがわかった。 起動させているときほどではないが魔力が少しずつ貯まっていく。 (リリカル、マジカル) また少し。 (リリカル、マジカル) ──いける! レイジングハートと体に貯まっている力が自信を呼び起こす。 ルイズは杖を振り下ろした。 「Error.」 庭を掃除しているシエスタの後ろで爆音がした。 爆発自体はよくあることなので普段なら気にしないが、今のはとても気になる。 いつもの3倍くらい大きな音だったからだ。 音の元を見ると教室から煙がもうもうと噴き上がっていた。 さらに窓から誰かが──シエスタは知らないがマリコルヌが──魔法も使わずに飛んでいくのが見えた。 シエスタは放物線を描いて飛んでいくマリコルヌを目で追った。 とりあえずどうしていいかわからなかったからだ。 マリコルヌが学園の塀の手前まで飛んだところで、ようやく頭が働き始めた。 「大変!!」 シエスタは塀の向こうに飛んでいくマリコルヌを追って走り出した。 煙の晴れた教室は惨憺たる物だった。 無事な家具は1つもない。 机の下に隠れた生徒もひっくり返っている。 シュヴルーズについては言うまでもない。 顔を炭で真っ黒にして気絶中だ。 ギーシュは何故か指で床に落ちた灰に「ルイズ」と書いていてから倒れている。 「な、なんで失敗したのよ」 ルイズは涙目でつぶやいた。 「なんで……じゃないわよ」 キュルケはそれだけ言うと口から煙を噴いて力尽きた。 前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ
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残酷な神々のテーゼ(後編) ◆RsQVcxRr96 キャロは走りながら考え込んでいた。 自分の隣を走っているのは同僚であるスバルの姉、ギンガ・ナカジマ。 一時は機動六課に出向していた事もあり、顔馴染みの存在ではあった。 だからこそ再会した時は本当に安心したし、心の底から嬉しかった。 しかし、そんな安心できる時間はすぐに終わってしまった。 突然の襲撃――そして逃避行。 正直キャロの精神は再び疲弊しかけていた。 それでもここまで必死に折れそうな心を懸命に支えてきている。 道すがらギンガは同行者のインテグラル卿について話をした。 インテグラル卿が死ねば、アーカードという化け物を止める術がなくなる事。 そうなればますます悲惨な状況になる事。 だから何としてもインテグラル卿を救わねばならない事。 ギンガがキャロに話した内容はそのような事だった。 (吸血鬼、アーカード……) 聞けば聞くほど恐ろしい化け物だ。 先程の電撃を放つ男も恐ろしいが、アーカードも同等の強さらしい。 桁違いな化け物が2人、いや実際はもっといるだろう。 そんな中で自分は何ができるのだろうか。 答えが出る訳でもなくキャロは今度の事を考えて、一層悩んでしまう。 「あれは、川!」 ギンガの声を聞いて目を前方へ向けると、確かに川が見えた。 今目指している場所はHELLSING本部。 インテグラルが勝手知ったる場所であり、そこなら治療ができるかもという事で目的地に定めていた。 つまりここで西へ進路を向け、橋を渡る必要がある。 「急がないとインテグラル卿が……行くわよキャロ!」 「え、あ……はい」 キャロは的確な判断を下して道を示してくれるギンガが少し羨ましかった。 それに比べて自分は何ができるのだろうと、知らず知らずのうちに自身を顧みてしまう。 自分がしている事と言えば、インテグラル卿のデイパックを背負ってギンガの後に遅れないように付いて行く事ぐらいだ。 なんだか少し情けないような気もした。 でも今はここが自分の居場所。 だからこそ全力で守りたい。 自分のポジションはフルバック――素早く動いて仲間の支援をするポジション。 全て機動六課で学んできた事だ。 今は十分に力になれなくても、自分にできる限りの事は頑張ろう。 キャロは心の中でそういう風に折り合いをつける事にした。 しかし神は残酷だった。 「――ッ! トライシールド!!」 「プ、プロテクション!!」 「――!!」 突然の襲撃だった。 天より漆黒の鎧を身につけた人物が手持ちの刃を振り落とし舞い降りてきた。 避ける間など無かった。 二人にできた事は咄嗟に防御魔法を展開する事だけだった。 刃と防御魔法が鎬を削り、程なく漆黒の戦士が反動を付けて少し離れた場所に着地した。 幸い今の間で直撃だけは免れたが、ギンガもキャロも今の攻防で相手の実力が並々ならぬ事を実感していた。 このままでは三人とも無事では済まない。 「キャロ、なんとか一瞬でいいからあいつの攻撃に耐えて。その隙をついて私が吹っ飛ばす」 「分かりました。やってみます」 即興で出されたギンガの提案は綱渡りのようなものだった。 だが二人に悩んでいる時間はない。 もう既に相手は攻撃の準備を終えたようだった。 ――DRILL―― ――TORNADO―― ――SPINNIG ATTACK―― 「プロテクション!!」 敵の攻撃は先程とは違って回転しながらのキックで、威力も上がっていた。 だがキャロも負けてはいない。 若干の猶予があったため先程とは違ってしっかりと防御魔法を展開する事ができた。 そのおかげでキャロ一人でも奇跡的に一瞬の均衡を生み出す事に成功していた。 (よし、これでギンガさんが敵に一撃を与えれば……) おそらく敵の注意は自分のみに向いているだろうとキャロは確信していた。 つまり今は攻撃を仕掛けるには絶好の機会だ。 やっとギンガさんの助けになれる、自分の居場所を守る事ができる。 キャロはすぐに来るその瞬間は待ち望んだ。 ――しかし…… (な、なんで!?) 時間にしては数秒にもなっていない。 だがギンガが攻撃を仕掛けるには十分な時間のはずだ。 それなのにまだギンガの攻撃はない。 もう防御魔法を維持するのも限界だというのに、何も起こらない。 「キャァ――ッ!!」 程なく防御魔法は破られて、キャロは地面に身体を打ちつけながら二転三転した。 対して漆黒の戦士にほとんどダメージはなく、無慈悲にも手に持った刃をキャロに向けていた。 二人の距離は僅か数歩というものだった。 (ギンガさん……なんで……) キャロの心を埋め尽くすのはただそれだけ。 あそこでギンガが攻撃を与えていたならば、勝っていたのは自分達のはずだった。 いったい何が起こったのだろう。 心中に浮かぶ疑問に答えを求めて、キャロは傷ついた身体を動かして後ろを向いた。 「え?」 後ろ、つまり川べりには誰もいなかった。 慌てて周囲を見渡しても、ギンガの姿は見つけられなかった。 「うそ……?」 今度は痛む身体を起こして周囲をぐるりと見渡してみる。 やはりどこを見てもギンガの姿はどこにもなかった。 そしてキャロはもう一ついなくなっている人物に気付いた。 「インテグラル卿も……いない?」 ギンガに加えてインテグラルの姿もまたどこにもなかった。 今ここにいるのはキャロと素性の知れない襲撃者だけだった。 それ以外には誰もいない。 (なんで……なんで、ギンガさんとインテグラル卿が――!?) そこでキャロは先程ギンガが言っていた事を思い出した。 曰く、アーカードを止めるためにもインテグラル卿は絶対に守り通さなければならないと。 そして現状キャロは一人取り残されて、ギンガとインテグラルの姿はない。 つまりは―― ――ギンガはキャロを囮にしてインテグラルと共に逃げた。 そんな考えがキャロの頭をよぎった。 キャロはその考えをすぐに否定しようとした。 でも、それなら、なぜギンガとインテグラルがいないのか説明できない。 少なくとも数秒前までは確かにいたはずだ。 ではいなくなったのはその直後。 折しもキャロが必死で襲撃者の攻撃を防いでいる時だ――ギンガの提案に従って。 (そんな……そんな……ギンガさんは、ギンガさんは――!!) もしも何かあったなら念話なり掛け声なりあるはずだ。 それもなくて忽然と姿を消したという事は、やはり―― 「――私を囮にして……インテグラル卿を守るために、逃げた?」 確かに目の前の人物は二人掛かりでも勝てるかどうか不安な敵だ。 それなら優先順位を考えて囮で気を引いて、その間に守るべきインテグラ卿と安全な場所まで逃げる。 実に合理的な考えだ。 しかしキャロには信じられなかった。 あのギンガが自分に対してそんな事を相談もせずに行うなど信じられない、いや信じたくなかった。 だからキャロはこの場で唯一答えを返してくれそうな人物へ問いかけた。 「あの、私の後ろにいた二人は?」 問いかけられた漆黒の戦士は黙ったままだった。 表情は隠れていて全く分からない。 一緒にいるだけで不気味な存在だった。 今まで出会った危険な人物とはまた違ったものがあった。 だからこそほんの少し期待したのだが、それは外れだったようだ。 「倒れていた女と、紫髪の女なら――」 「え!?」 どういう風の吹きまわしか不意に答えが返ってきた。 キャロは返ってくる答えを大人しく待ちわびる。 「君と対峙した時に――」 キャロはその答えを待つ。 その答えが自分の望む答えであると信じて、最悪な答えでないと信じて。 「逃げられたよ」 「え?」 『逃げられた』と目の前の敵は言った。 ここで敵が嘘を言う理由はないだろう。 どうせこのままでは自分は殺されてしまうのだろうから。 つまり今言われた事は紛れもなく真実。 それが意味する事は疑いの余地もない真実。 そう言葉の通りの意味だ。 ――ギンガ・ナカジマはインテグラル卿を守るためにキャロ・ル・ルシエを囮にして逃げた。 そうただそれだけだ。 つまりギンガにしてみれば、ある程度親交のあった自分よりもここで初めて会ったインテグラル卿の方を優先した。 そうただそれだけのことだ。 合理的に考えれば、これからの事を考えれば、そうなるのだろう。 でも! でも!! でも!!! 言葉にできない激情が胸の奥で暴れ回る。 自分はただ居場所を守りたかっただけだ。 だからこそ必死で頑張ったのに、この仕打ちだ。 相手の言い分も頭では分かる、でも心が受け付けない。 「つまり、私は捨て石……また捨てられたんだ……」 強大な力を持っていたために部族を追放された。 その後も管理局ではその力のせいで厄介者扱いをずっと受けてきた。 でも、それもフェイトに救われて終わったはずだった。 そう、こんな所にさえ連れて来られなかったら、ずっと自分の居場所はあそこだったはずだ。 それなのに、それなのに、それなのに!!! 「ごめん。すぐに楽にするから」 自分に掛けられる声に気付いて顔を上げると、そこには刃を振り翳す敵の姿があった。 あの刃が振り下ろされれば、ここで終わる。 何もかも、全て、嬉しかった事も苦しかった事も悲しかった事も楽しかった事も終わる。 「イヤ」 そんなのは嫌だった。 こんな仕打ちはあまりにも理不尽ではないか。 認めたくなかった、信じたくなかった。 こんな心に虚しさが残ったまま死ぬのは嫌だった。 金髪の青年に殺されかけた時はあっさり生を諦められたのに、今は生を諦める事が出来ない。 「イヤ、こんな所で死にたくない……」 「さようなら」 「――――――――ッ!!!!」 神は残酷だった。 ▼ ▼ ▼ 「ハァ、ハァ、ハァ」 川沿いに建てられた小屋で一人の青年が疲れた身体を癒していた。 相川始だ。 A-7から南下して始はカリスの姿のまま川まで来ると、川越えのためにドラゴンフライフロートを使用した。 まずは市街地に行く前に目指したのは人が集まりそうな駅だ。 そのために回り道をする気はなくカードの力で飛行能力を得ると、一路駅を目指すはずだった。 そこでカリスは眼下を走る3人組を見つけた。 見たところ走ってきた方角から駅から逃れてきた可能性が高い。 そう判断すると、目標を眼下の3人組に変更した。 見敵必殺。 栗原親子の元へ戻るためには手段は選んでいられなかった。 ドラゴンフライフロートを解除して、重力に従ってカリスアローで斬りかかった。 しかし予想外な事に3人の内2人は不思議な力を使って、カリスの攻撃は防がれてしまった。 何の力もない一般人と思っていたばかりに、カリスは少々焦った。 ならばと、2枚のカードをラウズして『スピニングアタック』で決着をつける事にした。 1回目の攻防からこれで十分だと踏んでの選択だった。 結果は予想外の事もあったが、こちらが勝った。 幼い少女を手に掛ける事に微かな気兼ねがあったが、目的のためには仕方なかった。 そして刃を振り落として自分の手は血に染まるはずだった。 そうなるはずだった。 「いったい、あれは何だったんだ!?」 それはカリスアローを振り落とそうとした時だった。 その瞬間、カリスは言い知れぬ雰囲気を感じていた。 そして本能が叫んだ――不味いと。 バトルファイトを勝ち抜いてきて得た勘が離れろと警告していた。 カリスは本能に従って、止めを刺さずにあの場から離れる事にした。 何が原因かは薄らと分かっていた。 少女の手に中にあった何かが光っていた。 それは怪しげな光だった。 おそらく原因はあれだろう。 「ひとまずは身体を休めた方がいいかな」 あの場から離れて始が休息に選んだのがこの小屋だ。 今はカリスの姿ではなく、相川始の姿だ。 ずっとカリスに変身したままの方が便利ではあるが、それではAPが尽きてしまう。 一度変身を解けば次の変身まで1時間待たなければいけない事も数時間前に把握した。 つまり後1時間はカリスへは変身できない。 もっともジョーカーへの変身はできるかもしれないが、何か制限があるかもしれない。 文字通り奥の手として滅多な事では使わない方がよさそうだ。 「1時間か」 次に動くまであと1時間。 戦士はしばしの休息に入った。 【1日目 早朝】 【現在地 D-6 川沿いの小屋】 【相川始@魔法少女リリカルなのは マスカレード】 【状況】健康、1時間変身不能(カリス) 【装備】ラウズカード(ハートのA~10)@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【道具】支給品一式、ランダム支給品×1 【思考】 基本:栗原親子の元へ戻るために優勝を目指す。 1.とりあえず変身できるようになるまで休息する。 2.見つけた参加者は全員殺す(アンデットもしくはそれと思しき者は優先的に殺す) 3.川を辿って市街地を目指す。 4.あるのならハートのJ、Q、Kがほしい。 【備考】 ※参戦時期はACT.5以前。なのは達の事は名前のみ天音より聞いた事がある(かもしれない)程度です。 ※自身にかけられた制限にある程度気づきました。 ※首輪を外す事は不可能だと考えています。 ※「他のアンデットが封印されると、自分はバトルファイト勝者となるのではないか」という推論を立てました。 ※相川始本人の特殊能力により、アンデットが怪人体で戦闘した場合、その位置をおおよそ察知できます。 ▼ ▼ ▼ キャロは一人だった。 なぜあの時、死ななかったのか理由は分からない。 でも今は生きている。 それだけで今は十分だった。 これから何をするのか今は考えられない。 ただ心に少し空洞ができた。 そんな事をキャロは考えていた。 キャロは知らない。 自分に支給されたもう一つのものの正体に。 その名は『スケィス』 巫器(アバター)と言われる憑神鎌<死の恐怖> このスケィスが正にキャロに死が迫った時に起動しかけた。 その時の力にカリスは本能的に回避を選択したのだ。 しかし結局スケィスは機動しなかった。 なぜか。 巫器を起動させるのには所有者が心に何らかの喪失を抱え、それに伴う強靭な意志を発揮しなければならない。 起動には心の虚が必要なのだ。 つまり先の出来事においてキャロには心の虚が足りなかったという事だ。 親しい間柄と言ってもスバルの姉で頼りになる人というのがキャロのギンガに対する大体の印象だ。 直前にバルディッシュの喪失、インテグラルの瀕死があっても、後一歩キャロの心の虚になり得るには足りなかった。 だがもしもそれに足り得る出来事が起こったのならば、その時はおそらく起動するだろう。 その時まで灰色の球体は静かに待つ。 まるで姫を守る騎士のように。 【1日目 早朝】 【現在地 D-7 川の畔】 【キャロ・ル・ルシエ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】疲労(大)、魔力消費(中)、脇腹に切り傷・左太腿に貫通傷(応急処置済み)、茫然自失、ギンガへの不審感 【装備】憑神鎌(スケィス)@.hack//Lightning 【道具】支給品一式×2、『かいふく』のマテリア@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、葉巻のケース 【思考】 基本:殺し合いを止める。殺し合いに乗っている人がいたら保護する。 1:……何も考えられない。 2:仲間を探し合流する。 [備考] ※別の世界からきている仲間がいる事に気付いていません。 ※憑神鎌(スケィス)のプロテクトは外れておらず、待機形態のままです。 【憑神鎌(スケィス)@.hack//Lightning】 巫器(アバター。SSでは呼称未登場)の第一相<死の恐怖>。 ロストロギアによって構成された、エリオの用いる術式不明の大鎌型デバイス。 通常は全プログラムに強固なプロテクトが掛けられており、セットアップも、名前以外のデータを閲覧する事も不可能。 ただし、持ち主が心に何らかの喪失を抱え、それが齎す強靭な意志を発揮した時に初めてその力を起動させる。 以降はプロテクトが解除され、起動もデータ提示も普通に可能となる。 腕には禍々しいラインを持ったガントレットが装着され、それによって憑神鎌の重量は、限りなく持ち主に最適化される。 普通に切り裂くだけでも絶大な威力を発揮するが、その他にも以下のスキルを使用可能。 ショット……手のひらから魔力弾を発射する。連射可能。 死ヲ刻ム影……通称データドレイン。魔力結合に干渉・改竄する能力を持った必殺技。 ▼ ▼ ▼ 「ヤハハハ、さてもうそろそろいいだろう」 半壊状態の駅員詰所に居座るのは、それに似つかわしくない神だった。 エネルは自身のデイパックから時計を取り出して時間を確かめた。 先程宣告した刻限から5分経っていた。 エネルがゲームと称して5分間待つと言ったのは、もちろん文字通りの意味もあるが別の意味もあった。 それは休息だ。 さすがにあれだけ力を使えば多少は疲れる。 それに加減が分からないのも要らぬ疲れを生む原因だった。 つまり少しだけゆっくりと休む時間が欲しかったのだ。 「それにしても……」 ふと眼下の矢車の変わり果てた姿を少し目に入る。矢車の姿は悲惨だった。 胸にはクロスミラージュごと鉄の矛がボロボロの状態で刺さっている。 幾度となく浴びせた電撃で鉄の矛が耐えられなくなった結果だ。 すぐに興味を無くしてエネルは心網で捉えた動きを考えていた。 あの3人は病院がある南に向かうと思っていたが、意に反して北へと向かった。 そして川まで行ったところで新たな者と接触があった。 何があったかは分からないが、その内2人がその場から離脱していった。 少しして残った二人もまた別れた。 如何せん心網の範囲が制限されているせいか、はっきりとは分からなかったので確信は持てない。 だがあの3人が北へ向かったのは確かだ。 そうは言っても北は自分が来た方角だ。 そこへ戻ってもいまいち面白くないような気がする。 (さて、悩むな) 【1日目 早朝】 【現在地 E-7 半壊した駅員詰所】 【エネル@小話メドレー】 【状態】疲労(小) 【装備】ジェネシスの剣@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使 【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考】 基本:主催者も含めて皆殺し、この世界を支配する。 1:どこへ行こうか。(どこへ向かうかは後続の書き手にお任せします) 【備考】 ※黎明の終わり際に駅にてエール・トールが放たれました。近くにいたら見えたかもしれません。 ▼ ▼ ▼ HELLSINNG本部。 少し前に最凶の吸血鬼が訪れたこの場所に新たな訪問者が現れた。 数は二人。 紫の髪に茶色の制服を着た少女と、全身に火傷を負っている女性。 あの場から忽然と姿を消したはずのギンガとインテグラルであった。 ギンガはインテグラルを背負いながら、あの時の事を思い出していた。 キャロは期待通り敵の攻撃をきちんと防いでくれた。 次は自分の番だと思って走りだそうとしたその時、ある光景を目にしてしまった。 それは川べり付近に倒れていたインテグラが今にも川に落ちそうになる瞬間だった。 インテグラルが一度目の攻防の際に振り払われて、背中からずり落ちて川べりで止まっているのは見た。 あの位置なら落ちないと思っていたが、運悪く落下の衝撃で目を覚ましたようだった。 さらにふらつく身体を無理に動かそうとして、バランスを崩して落ちる間際まで陥っていた。 (危ない!) そう思った瞬間には身体はインテグラルの方へ走り出していた。 ギンガはインテグラルを引き寄せたらすぐさま戻るつもりだった。 しかし事態は最悪な方向へ転がってしまった。 あろう事か、助けに入った自分もインテグラに引きずられる形でバランスを崩してしまったのだ。 あとは二人とも川に落ちて、今になってやっとこさ岸に上がれたという訳だ。 不幸中の幸いか、目の前に目的地があったのは僥倖だった。 だが、それでもギンガの心は晴れない。 (キャロ……ごめんなさい……) 恐らくキャロは殺されているだろう。 自分の不注意のせいで。 そうだ。 また自分のミスで仲間を危険な目に遭わせてしまった。 そしてこれは最早取り返しのつかない事だ。 神は残酷だ。 この会場の夜は明けた。 だがギンガの中ではまだ夜明けは来ていなかった。 【1日目 早朝】 【現在地 D-5 HELLSING本部前】 【ギンガ・ナカジマ@魔法妖怪リリカル殺生丸】 【状態】顔面に打撲(小)、疲労(大)、キャロへの罪悪感、ずぶ濡れ 【装備】コルト・ガバメント(7/7)@魔法少女リリカルなのは 闇の王女 【道具】支給品一式×2、ゼクトバックル(ホッパー)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、ランダム支給品0~2(確認済) 【思考】 基本:この殺し合いを止め、プレシアを逮捕する。 1:HELLSING本部にてインテグラの治療を行う。 2:インテグラを護衛し、アーカードを捜索する。 3:できる事なら誰も殺したくはない。 4:可能ならば、六課の仲間達(特にスバル)とも合流したい。 【備考】 ※なのは(A s)、フェイト(A s)、はやて(A s)、クロノの4人が、過去から来た事、また一部の参加者はパラレルワールドから来た人間である事に気付きました。 ※「このバトルロワイアルにおいて有り得ない事は何一つない」という持論を持ちました。 ※制限に気がつきました。 ※インテグラがいなくなった後のアーカードに恐怖を抱き始めました。 ※アーカードを暴走させないためにも何としてもインテグラを守るつもりです。 【インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング@NANOSING】 【状態】疲労(中)、全身に軽い火傷、ずぶ濡れ、気絶中 【装備】なし 【道具】なし 【思考】 基本:この殺し合いを止め、プレシアを叩きのめす。 1:気絶中。 2:地図上のHELLSING本部に向かう。 3:アーカードと合流し、指揮下に置く。 4:できる事なら犠牲は最小限に留めたいが、向かってくる敵は殺す。 【備考】 ※同行しているギンガが自分の知るミッドチルダに住む人間ではない事、一部の参加者はパラレルワールドから来た人間である事を把握しました。 ※アーカードは参加者に施されているであろう制限の外にあると思っています。 【矢車想@仮面ライダーカブト 死亡】 【残り51人】 ※E-7の駅にある駅員詰所は半壊状態になりました。(駅そのものへの被害は軽微) ※矢車の死体は黒焦げで胸に鉄の矛を刺したままE-7の駅(半壊した駅員詰所)に放置されています。 ※クロスミラージュ@魔法少女リリカルなのはStrikerS(矢車の胸ポケットの中)は鉄の矛に貫かれて破壊されました。 Back 残酷な神々のテーゼ(前編) 時系列順で読む Next 光が紡ぐ物語 投下順で読む Next 遠い声、遠い出会い 相川始 Next タイムラグは30分(前編) エネル Next タイムラグは30分(前編) インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング Next 誇りの剣 ギンガ・ナカジマ Next 誇りの剣 キャロ・ル・ルシエ Next 勇気のアイテム(前編) 矢車想 GAME OVER
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Mの姿/マイナスからのリスタート ◆gFOqjEuBs6 ――CLOCK OVER―― 鳴り響いた電子音は、超加速の終了を告げる合図。 誰も居ない平野まで駆け抜けて、ライダーシステムが限界を感じた。 距離にすれば、1キロ走ったかどうか。普段の天道ならば、大した距離では無い。 されど、今は状況が特別だ。クロックアップの時間制限と、なのはという名の足かせ。 それらを抱えて走り抜けた天道には、既に戦える程の体力は残されて居ない。 立ち止まると同時に、天道の身体から赤の装甲と抱えていたなのはが離れた。 「あれ……ここは? 今さっきまでキングが……」 「クロックアップで離脱した。お前を守りながらあの二人と同時に戦うのは無理だ」 「離脱……? 天道さんが……?」 らしくない。普段の天道ならば、逃げたりはしない筈だ。 例え状況が不利であっても、カブトという力がある限り、天道は戦う。 そういう人間だと思っていただけに、意外な撤退には正直面食らった。 ……否、先程の天道の動揺を考えれば、それも無理は無いのかもしれない。 本人は表には出していないつもりだろうが、アンジールが妹を殺されたと聞いた時―― 天道は確かに動揺していた。カブトの仮面の下で、きっと想像も出来ない様な表情をしていた。 それが一体何故なのかなど、なのはには解る訳も無いのだが……。 「今のアンジールとキングは、まず間違いなく潰し合う。どちらが勝ったとしても、俺が倒せばいいだけの話だ」 「天道さん……」 強がってはいるが、やはりいつもの天道では無かった。 何と言うか、らしくない。どういう訳か、不自然さを抱かせる。 逃げるしか無かった自分が許せないから? 戦っても勝ち目が無かったと自分自身で気付いているから? そういった罪悪感と、アンジールの一件。それらが、天道に確かな動揺を与えているようだった。 されど、二人に立ち止まって居る時間などは与えられなかった。 「――待て、何か聞こえるぞ!」 「え……あ、これは……泣き声……?」 言われてみれば、微かに聞こえる。 女の子が、すすり泣いているような声だ。 ここからそう遠くない。このままでは危険だ。 この場で泣き声を響かせると言うのは、自分の居場所を教えているようなもの。 最悪の事態になる前に駆け付けて、泣き声の主を保護しなければならない。 何故泣いているのか、話を聞くのは保護してからでも遅くは無い。 そして、そう考えているのは天道も同じらしい。 二人はすぐに、声の元へと駆け出した。 それから間もなく、二人は声の主を発見した。 一目見た時、あまりの惨たらしさに口を塞いでしまった。 紫の髪の少女が、全裸で四肢を縛り付けられていたのだ。 それも、四肢からは止めどなく血液が溢れ出して、腹部に至っては貫通されている。 相当なショックだったのだろう。失禁した形跡すら見られる。 最早少女は、なのは達が目の前に来ても何の反応も見せなかった。 ただただ、何事かを呟きながら涙を流し続けるだけ。 口に下着を詰め込まれて居るせいで、何を呟いているのかは解らなかったが……。 もうこの子は壊れている。身体だけでなく、心も。 なのはにそう思わせるには十分だった。 「この子……あの時の……」 この少女には、見覚えがある。 あの時――このデスゲームが始まってすぐに出会った少女だ。 自分があの時この子の話をきちんと聞いて居れば、きっとこの子はここまで追い込まれなかった。 この子がこうなってしまった原因の一つは自分でもある。出来る事なら、何とかして助けたい。 だけど……今自分に出来るのは、ケリュケイオンによるヒーリングだけだ。 あの時キングは、なのはのグローブ――ケリュケイオンを見落していた。 だから、このデバイスだけはキングに奪われずに済んだのだ。 口に詰め込まれた下着を引き抜いて、掌を腹部に翳す。 そうして初めて、少女の呟きが聞きとれるものとなった。 「エリオ……シグナム……私が……殺したから、殺される……家族、殺された、から…… 私……悪かった、の……かな……もう、誰も居ない……一人ぼっち……わた、し……」 「一人ぼっちじゃない……私が居る! 貴女には私が、私達がそばにいる……!」 この子が何らかの理由でエリオを殺してしまった事は、もう知っている。 その上でシグナムも殺してしまったのならば、それは確かに許されざる罪だ。 だけど、今ここで死んでいい命なんてある訳が無いし、これ以上誰にも死んで欲しくは無い。 この子は自分が犯した罪と向き合って、きちんと罪を償わなければならない。 だから、まだここで殺す訳には行かないのだ。 「なんで……どうして……こんな事に……もう、死ねば……いいのに、私なんて……」 「死ぬなんて言っちゃ駄目だよ! 私はまだ貴女の名前も聞いてない……ねぇ、名前は? 名前を教えて? 私の名前は高町なのは……誰も居ないなら、私が貴女の友達になるから……」 ようやく、少女がぴくりと反応した。 ぱちりと瞬きをして、一際大粒の涙がその瞳から零れ落ちた。 それからすぐに、少女が再び口を開いた。 「わたし……私は、柊……かがみ……お願い、なのは……私を、殺して……もう、嫌なの……」 「かがみ……かがみだね? 悪いけど、そのお願いは聞けないよ。嫌って言われても、私はかがみを助ける」 「エリオ……シグナム……それから、眼帯の女の子……私が、殺した……だから、私は……もう……」 「その話なら後で聞くから……だから、生きることを諦めないで。辛い事があったなら、一人で背負い込まないで……」 どんなにヒーリングを続けても、そんな物はその場凌ぎにしかならなかった。 腹部から、手足から、止めどなく溢れ続ける血液を止めるには、回復量が少なすぎる。 この少女、既に完全に諦めきっている。完全に絶望してしまっている。 だけど高町なのはという人間は、まだ諦めてはいない。 そんな時だった。 「そいつを助ける手段、無い訳じゃ無い」 背後から声を掛けたのは、天道だった。 手に持っているのは、見覚えのない機械。 そんな機械に何が出来るのかと訝しむが、天道の表情は真剣そのものだった。 なのはがかがみに手当をしている間、天道は今自分に出来る事を考えていた。 魔法が使えない自分に、かがみを救う事は出来ない。あと一応裸である事も尊重した。 全ての女性は等しく美しいと考える天道は、意外とフェミニストなのであった。 さて、そんな事はどうでもいい。なのはがかがみの手当てをしている間に、天道が探るものは、二つのデイバッグ。 つい先程、クロックアップで離脱する直前にキングから奪い取ったデイバッグだ。 この中に何か回復の手段が入って居ればいいのだが、それらしいものは出て来ない。 デバイスらしきものは見当たるのだが……と、そんな時であった。 「これは……」 ガチャリと音を立てて取り出したのは、白い腕輪。 どうやら腕に装着する機会らしく、大げさなディスクがくっついていた。 これはリリカル遊戯王GXの世界に登場するデュエルディスクと呼ばれる機械なのだが、天道はそれを知らない。 何の機械なのかは解らないが、危なそうな気配は無い。好奇心からか、天道はそれを左腕に装着した。 されど、何も起こりはしない。どういう訳かとデイバッグを漁るが、説明書の類は見当たらない。 そこで気付いたのは、盤上にセットされた一枚の緑のカードであった。 「……治療の神、ディアン・ケト……」 不意に、そのカード名を呟いた。 瞬間、身体に残った疲労が消えて行くのを感じる。 カブトとしての戦闘による疲労、クロックアップによる疲労。 それらの疲労が溜まっていた筈の身体が、一気に軽くなるようだった。 同時に、天道はこのディスクの全てを理解した。 「成程な……そういう事か」 セットされた緑のカード。効果は、ライフポイントを1000回復するというもの。 ライフポイントの基準がいくらなのかは解らないが、これは使えるかもしれない。 一度天道は仮面ライダー龍騎に変身したが、このカードも恐らくはあの時と同じ手合いだろう。 龍騎だって、デッキからカードを引き抜いてドラグバイザーに装填しなければならなかった。 だが見たところ、龍騎の様にカードを収納するデッキケースは見当たらない。 そして、カードがセットされた腕輪を装着した瞬間に、天道の体力は回復した。 以上の事から考えるに、このカードは既にセットされた使用状態にあったのだろう。 かといってカードが無くならない事を考えると、誰か―― 恐らくキングが一度回復に使って、そのままデイバッグに放り込んでいた可能性が高い。 回復量から考えても、恐らく1000という数字はそう小さいものでもない。 ちらとかがみを見れば、今にも死にそうな表情であった。 そんな理由があって、現在に至る。 天道の言葉に期待したなのはであったが、天道は期待を裏切る言葉を発した。 「だが、そいつに使ってやる義理は無いな」 「そんな……!」 「そいつは三人も人を殺してる。そんな奴を仲間に入れてどうするんだ」 「それは……罪は償う事は出来ます……この子だって――」 「そいつには無理だ。生きる気が無い人間を助けた所で、また同じ事を繰り返すだけだからな」 確かに、天道の言う事は正しい。 死にたがっているかがみを無理に生き返らせても、逆に今度は世界を憎むかも知れない。 何故自分を殺してくれなかった。何故こんな辛い世界で、自分を生き長らえさせた、と。 事実、かがみはこれまでも周囲を呪い続けて、その結果として三人も殺してしまったのだろう。 そんな状態のかがみを助ける事は、確かに得策とは思えない。 だけど…… 「それでも、私はこの子を助けたい……! 後の事は、私が責任を取るから――」 「お前では話にならん」 「な……天道さん!?」 なのはの言葉を遮って、天道が進み出た。 全裸のかがみの前に立って、真っ直ぐにその顔を見下ろす。 鋭い視線で射抜くように見据えて、言葉を続けた。 「おい、お前……“かがみ”とか言ったな。死ねば赦されるとでも思ってるのか?」 「死なないと……あの子、私……許さない……だって、私も……浅倉、許せないから…… つかさ……殺された、から……だから、シグ……ナム、殺した私……死なないと……」 「あの子ってまさか……はやてちゃ――」 「甘えるのもいい加減にしろ! お前がそいつに殺されたとして、お前が殺した三人はどうなる……!? 例えお前を殺しても、そいつはお前を絶対に赦さない。死んだ者は還って来ないんだ。心が晴れる訳が無い。 だが、そいつが仇を取る為にお前を殺せば、死んだ三人はどう思う!? 絶対に喜びはしない筈だ……!」 なのはの言葉を遮ったのは、怒号であった。 天道総司という人間が怒鳴る姿を、なのはは初めて見た。 いつだって冷静に的確な判断を下していた筈の天道だからこそ、怒鳴るなどとは思って居なかった。 そういったイメージも手伝って、天道の迫力に拍車が掛っているように見えた。 だけど、きっとそれは錯覚などでは無いのだろう。 「生きた、って……皆、私を裏切る……だって、皆……別の世界の……人、だから……なのはも……」 「私は裏切らない……! もう、かがみを離さないから……だから、私を信じて? お願い!」 「でも……万丈、目……だって……バクラだって、私……裏切られたから……」 「だからって何だ。そいつらが裏切ったからって、高町までお前を裏切ると誰が決めた?」 おかしいな、となのはは思う。 先程まではかがみを助けるつもりは無いなんて言っていたのに、今の天道の言葉はまるで真逆に聞こえる。 まるでかがみを改心させて、助けようとしているような。助ける為に、かがみに罪と向かい合わせる為に。 もしかすると、天道は最初からそうするつもりだったのではなかろうかとすら思ってしまう程であった。 「……と、言った所で生きる気力の無いお前には何を言っても無駄だな。お前がどうしても死にたいと言うなら、俺は止めはしない。 だが……お前がここで死んでしまえば、お前の言いたい事や、伝えたい事……誰にも何も、永遠に伝える事は出来なくなってしまう」 「伝えたい……こと……そんなの……もう、私には……」 「かがみ、良く考えて……? 友達の事、家族の事……元の世界で待ってる皆や、ここで戦ってるお友達の事……本当にそれでいいの?」 恐らく、先の放送で呼ばれた「柊つかさ」というのは、かがみの家族だろう。 それはかがみの言葉を聞いて居れば想像がつくし、だからこそここまで壊れてしまったのも納得が行く。 誰だって家族が死んでしまって、平然としていられる訳が無いのだ。 それもかがみの様に元が完全な一般人なら、尚の事。 だけど、それでも生き残った人の事……死んでしまった家族の想いを、考えて欲しい。 「伝え、たい事……ほん、とは……沢山ある……こなただって、生きてる……戦ってる、って…… でも……でも……人を、殺した……こんな、私が……今更……こなたと……出来る訳ない……出来る、訳……」 「かがみ……事情があったにしろ、人を殺した事は赦されないし……多分、私だって貴女を赦す事は出来ないと思う…… だけど、それでも……貴女を想ってくれるお友達の事や、死んでしまった大切な人の想い、忘れないで欲しいんだ。 私の友達だって、何度もいがみ合って、ぶつかり合って……それでも、罪を背負ってでも、最後は解りあえたから……」 フェイトの事。はやて達ヴォルケンリッターの事。 彼女らはかがみとは状況も、罪の重さも全く違う。それくらいはなのはにだって解る。 なのははきっと、エリオやシグナム、チンクを殺された事……きっとかがみを赦す事は出来ない。 だけど、それでもかがみにはその罪を背負って、前を向いて生きて欲しいと思う。 だからなのはは、こんなにもかがみを殺したくないと必死になれるのだ。 死んだ三人の想い、ここでかがみが死んで報われるものでもないのだから。 だけど、ヒーリングを続けているとは言え、かがみが現在進行形で衰弱しているのもまた事実。 このまま話が長引けば、本当に死んでしまうかもしれない。それだけは避けたいのだが……。 そう考え始めた矢先、天道も状況を察したのか、顔色を変えて話始めた。 「良く聞けかがみ。お前にまだ生きたいと願う意思があるなら……罪を償いたいと思う心があるなら…… 例え他の誰が裏切ろうと、俺と高町なのはだけは絶対にお前を裏切らない。離れていても、俺達がずっとそばに居てやる」 「えっ……う、あ……あぁ……そんな、都合良い……話……今更……うぐ……う、ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――」 とっくに崩壊していた涙腺から、濁流の様な涙が零れ落ちた。 まるで子供の様に、その口から呻き声を漏らして……泣き崩れた。 今までずっと辛い思いをしてきたかがみに、初めてかけられた優しい言葉。 本心から、救いたいと願ってくれる者の言葉。 だけど、後戻りは出来ないと言う事実……重圧。 それらがかがみに、最後の壁を作って抵抗させる。 今なら解る。かがみは、本当に死にたいなんて言っていた訳ではない。 本当はこの子だって、戻りたいのだ。昨日までの、平和だった頃の自分に。 友達たちと笑いあって居たであろう頃に――。 不意に、天道が右手の人差し指をそっと掲げた。 空を軽く見上げながら、言葉を続ける。 「おばあちゃんが言っていた。……嘆くなら抗え。悔やむなら進め。不幸だと嘆くだけなら誰でも出来る……ってな。 いいかかがみ。世界はお前の敵じゃない……困難は多いだろうが、お前にはその困難に立ち向かう義務がある。 そしてそれを背負って生きて行く限り、お前には何処の世界でだって生きて行く権利がある」 「う、ぁ……だって……私……わた、しぃ……三人も……ひっく……ぐすっ……」 「その三人の事を、絶対に忘れるな。そして、その三人の分まで生きて、戦い抜け。それがお前に出来る償いだ」 ただ生きて行くだけではない。 嘆くくらいなら、抗え。悔やむくらいなら、前に進め。 殺してしまった三人の呪縛に捉われてがんじがらめにされるのではなく。 未来を生きたいと願う希望の光と、背負った三人の命、罪という名の闇。 自分の中の光と闇と……その両方を背負って、走り続けなければならない。 それこそがこれからかがみがしなければならない、終わる事の無い戦い。 自分自身を見失わない様に、自分の心と戦い続けなければならないのだ。 ――それきりかがみは喋らなくなった。 ただ聞こえるのは、声にならない嗚咽と、すすり泣く声だけだ。 一人で何を考えているのかは、なのは達の知る所では無い。 だけど、生きたいと願うのであれば……何事かを告げる筈。 逆に、自分達の説得でも駄目だったなら……かがみは何も言わないだろう。 果たして、その答えは―― ◆ 嗚呼、私にはまだ、こんなにも想ってくれる人間が居たんだ。 なのはには、あんな酷い事をしたのに……裏切られたと思って、裏切っていたのは私の方だったのに。 それでも目の前の二人は、自分を信じてくれると言っている。裏切らないと言ってくれている。 その言葉は、今でも完全に信じる事は出来ないし……心の何処かでは、未だに疑っている。 だけど同時に、信じたいと願う自分も居る。 (わたし……生きていても、いいのかな……ここに居ても、いいのかな) もうバクラは居ない。 つかさだって居ないし、こなただってどうか解らない。 だけど、自分にも生きる事が赦されるなら……生きていたいと思う。 そして、ここで生きていていいのなら。ここに居てもいいのなら。 犯してしまった罪はきっと、永遠に消えないのだろうけど……それでも。 誰かと一緒に、誰かの為に、死んでしまった三人の分まで戦いたい。 自分自身と戦って、生き抜きたい……きっと皆、都合が良いって言うと思うけど……。 あの関西弁の少女に会うのも、殺してしまった人の関係者に会うのも、迷惑を掛けてしまった皆に会うのも、正直に言えば怖い。 また殺されるんじゃないだろうか。自分なんて信じて貰えないんじゃないだろうか。 きっとこれまで関わった皆から、都合が良いって罵られる筈だ。 正直言って怖い。怖くて怖くて、また心がどうにかなってしまいそうだ。 だけど、それでも逃げる訳には行かない。自分はそれに立ち向かわなくちゃならないから。 罪を背負うって言うのはきっと……そういう事でもあるのだと思うから。 だから、私は――。 「なの、は……ありが、とう……私、最後に……あんたに、会えて……良かった」 「かがみ……最後だなんて言わないで! これからも、一緒に戦おう……一緒にゲームから脱出しよう!?」 「わか……るから……私、も……駄目、だって……だから、私の分、まで……なのは……生き、て……」 「かがみ……かがみ!? そんなの駄目だよ……かがみぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」 悲しいかな、手遅れだ。 もう何をしても、間に合わない。自分でも解る。 体中からこれだけ血液を流したのだから、当然だ。 生きる気力はあっても、考え方を変える事が出来ても、現実には敵わない。 だけど最後の最後で本当の自分を取り戻す事が出来た。 そして、最後になのはにお礼を言えただけで、もう満足だ。 嗚呼、今の自分は、ちゃんと笑う事が出来てるだろうか。 最後くらいは、笑顔でいたいから…… だから―― 「――ありがとう」 それだけ言って、かがみは意識を手放した。 と言うよりも、意識を保って居られなくなったのだ。 喋り続けた所為か、意識の混濁が余計に早まっているように思える。 だけど、意識が途切れる寸前に、男の声が聞こえた気がした。 「合格だ、かがみ」 何が合格なのか……今となっては何も解らない。 もう何も考える事など出来ないのだから……。 ◆ 柊かがみが意識を手放してから、既に数十分が経過していた。 天道総司も、高町なのはも、今はその場に腰掛けて、休憩をとって居た。 二人の表情に、先程までの緊迫感は無い。どちらも今はただ身体を休める事に集中しているようだった。 本来ならば、かがみの事でそう簡単には立ち直れないのだろうが……。 「天道さん、最初からかがみを助けるつもりだったんでしょう?」 「勘違いするな。俺は生きる意志を持つものしか助けるつもりは無い」 「でも、最初からかがみを見捨てようとはしなかった…… それは、かがみが本当は優しい子だって気付いてたからじゃないですか?」 なのはが問うが、天道はそれ以上何も答えなかった。 無駄話をしている暇があるなら、体力を回復させろ、と。まるでそう言っているようだった。 今の天道は、ただ目を瞑り腕を組んで、瞑想でもしているかのように俯いているのみ。 もしかしたら何事かを考えているのかも知れないが……それは天道にしか解らない。 二人が無言になれば、すやすやと聞こえてくるのは安らかな寝息。 紫髪の少女が身体になのはの上着の着物をかけられて、ぐっすりと眠っていた。 「デュエルディスク……カードさえあれば、何度でも使える支給品。正直、こんな便利な物があったなんて……」 「と言っても、かがみの場合はあと何度か使わないと完全には回復しないだろうがな」 「その……かがみの傷、やっぱりはやてちゃんがやったんでしょうか」 「それに関しては、起きてから直接かがみに話を聞くしかないな」 犯人はほぼはやてで間違い無いのだが……天道はそうだとは言わない。 それも当然だろう。天道だって、はやてがなのはの友達だと言う事は理解している。 絶対にはやてがやったのだと言う確信があるのなら話は別だが、そうでないなら想像だけで迂闊な事は言えない。 かがみが気を失う瞬間に、天道が咄嗟にデュエルディスクを装着させ、そのカード名を読みあげた上で、効果を発動させた。 天道による「発動」の掛け声を認識したディスクは、装着者のかがみを回復させたのだ。 咄嗟の機転のお陰で助かりはしたものの、下手をすればこのまま死んでいた可能性だってある。 そんな事を、あの八神はやてがした。シグナムの仇を取る為といっても、明らかに“やり過ぎ”だ。 悪い冗談だと信じたい、と……そう思っているのは二人ともであった。 「何にせよ、今は考えても無駄だ。放送まであと僅かだ。それを聞いたら、俺はこのまま西へ向かう」 「西……? でも、地図を見る限りじゃ、ここより先は……」 「俺の予想が正しければ……エリアの端と端は繋がっているかも知れない」 「え……それはどうしてですか?」 「かがみを拘束するのに使われていた服、見たところホテルの従業員の制服だ。 なのは、お前が最初にかがみと出会った時、確か制服を着てたって言ってたよな?」 「成程……つまりかがみは一度ホテルに行って着替えてから、この平野まで戻って来た……?」 「ああ。そしてここにかがみを襲った犯人は居ない。何も無い平野だ、この周囲に隠れている訳でもあるまい」 天道の言っているのはつまり、こういう事だ。 かがみはなのはと出会ってから、どういう訳か一度ホテルへ向かった。 そこでホテルの従業員の制服を手にし、それを着て移動を開始した。 だが、移動途中に何者かに襲撃され、この場に置き去りにされてしまった。 とするならば、その犯人は何処へ逃げた? この周囲に隠れる場所は無い。 かがみの傷を見たところ、恐らくやられたのはそんなに前という訳でもないだろう。 そう考えれば、考えられるのは、このエリアの向こう側はそのまま東側に繋がっているという可能性。 プレシアの事だ。エリアの外に出たからって首輪爆発なんてつまらない事はしないだろうし、十分にあり得る。 「それに、ゆりかごに向かうなら東側から行った方が圧倒的に近い」 「……それだけじゃない。もしも犯人がはやてちゃんなら、どうしてこんな酷い事をしたのか…… もしそこで出会えたら、きちんと本人から話を聞く事も出来るかもしれない」 これで話はまとまった。 まずは放送を聞き、それからかがみから事情を聞く。 そしてすぐに西へ向かい、エリアが繋がっているのかどうかを確認。 それからゆりかごへ向かい、ヴィヴィオを救出する。 これが当面の彼らの行動方針であった。 キングから奪い取ったデイバッグをその手に抱え、二人は星空を見上げていた。 各々の思考を巡らせながら、この無情なデスゲームに憤りを募らせる。 こんなゲームは絶対に終わらせなければならない。 その為にも、自分達は戦わなければならないのだ。 放送まであと僅かだ。それを聞いたら、すぐにでも動きださなければならない。 そして、そう考える高町なのはのデイバッグの中には―― 彼女にとっての、最高の切り札が今も眠っているのであった。 【1日目 真夜中】 【現在地 D-1 平野】 【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康 【装備】とがめの着物@小話メドレー、すずかのヘアバンド@魔法少女リリカルなのは、ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式×2、レイジングハート・エクセリオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS、グラーフアイゼン@魔法少女リリカルなのはStrikerS、デルタギア一式・デルタギアケース@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【思考】 基本:誰も犠牲にせず極力多数の仲間と脱出する。絶対にヴィヴィオを救出する。 1.放送を聞いた後で、かがみから話を聞く。 2.西へ向かい、エリアの端と端が繋がっている事を確かめる。 3.天道と共にゆりかごに向かい、ヴィヴィオを探し出して救出する。 4.出来れば銀色の鬼(メビウス)と片翼の男(アンジール)と話をしたいが……。 5.極力全ての戦えない人を保護して仲間を集める。 6.フェイトちゃんもはやてちゃんも……本当にゲームに乗ったの? 【備考】 ※金居とキングを警戒しています。キングは最悪の相手だと判断しています。 ※はやて(StS)に疑念を抱いています。きちんとお話して確認したいと考えています。 【天道総司@魔法少女リリカルなのは マスカレード】 【状態】健康 【装備】ライダーベルト(カブト)@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【道具】支給品一式、スティンガー×5@魔法少女リリカルなのはStrikerS、カブトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【思考】 基本:出来る限り全ての命を救い、帰還する。 1.放送を聞いた後で、かがみから話を聞く。 2.西へ向かい、エリアの端と端が繋がっている事を確かめる。 3.なのはと共にゆりかごに向かい、ヴィヴィオを救出、何としても親子二人を再会させる。 4.一応あとで赤と銀の戦士(メビウス)の思惑を確かめる。 5.キング及びアンジールは倒さなければならない敵。 6.エネルを捜して、他の参加者に危害を加える前に止める。 【備考】 ※首輪に名前が書かれていると知りました。 ※天道自身は“集団の仲間になった”のではなく、“集団を自分の仲間にした”感覚です。 ※PT事件とJS事件のあらましを知りました(フェイトの出自は伏せられたので知りません)。 ※なのはとヴィヴィオの間の出来事をだいたい把握しました。 【柊かがみ@なの☆すた】 【状態】全裸、両手首の腱及び両アキレス腱切断(回復中)、腹部に深い刺し傷(回復中)、つかさの死への悲しみ、サイドポニー 【装備】デュエルディスク@リリカル遊戯王GX、治療の神 ディアン・ケト(ディスクにセットした状態)@リリカル遊戯王GX 【道具】ホテル従業員の制服 【思考】 基本:出来るなら、生きて行きたい。 0.ありがとう、なのは……。 1.……(気絶中)。 【備考】 ※一部の参加者やそれに関する知識が消されています(たびかさなる心身に対するショックで思い出す可能性があります)。 ※デルタギアを装着した事により電気を放つ能力を得ました。 ※変身時間の制限にある程度気付きました(1時間~1時間30分程時間を空ける必要がある事まで把握)。 ※エリアの端と端が繋がっている事に気が付きました。 【チーム:スターズチーム】 【共通思考】 基本:出来る限り全ての命を保護した上で、殺し合いから脱出する。 1.まずは現状確認。 2.協力して首輪を解除、脱出の手がかりを探す。 3.出来る限り戦えない全ての参加者を保護。 4.工場に向かい首輪を解析する。 【備考】 ※それぞれが違う世界から呼ばれたという事に気付きました。 ※チーム内で、ある程度の共通見解が生まれました。 友好的:なのは、(もう一人のなのは)、(フェイト)、(もう一人のフェイト)、(もう一人のはやて)、ユーノ、(クロノ)、(シグナム)、ヴィータ、(シャマル)、(ザフィーラ)、スバル、(ティアナ)、(エリオ)、(キャロ)、(ギンガ)、ヴィヴィオ、(ペンウッド)、天道、(弁慶)、(ゼスト)、(インテグラル)、(C.C.)、(ルルーシュ)、(カレン)、(シャーリー) 敵対的:アーカード、(アンデルセン)、(浅倉)、相川始、エネル、キング、アンジール 要注意:クアットロ、はやて、銀色の鬼?、金居、(矢車) それ以外:(チンク)・(ディエチ)・(ルーテシア)、柊かがみ、(ギルモン・アグモン) Back Mの姿/鏡 時系列順で読む Next こなたとリインと男の娘 投下順で読む Next こなたとリインと男の娘 アンジール・ヒューレー Next 闇よりの使者 高町なのは(StS) Next 救済N/EGO~eyes glazing over 天道総司 Next 救済N/EGO~eyes glazing over キング Next 闇よりの使者 柊かがみ Next 救済N/EGO~eyes glazing over
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仮面の告白 ◆Qpd0JbP8YI 許さない。 八神はやてがどんなに強くそう思おうと、結果は変わらない。 彼女は管理局の中でも非力さにおいては群を抜くもの。。 対する相手は常に前線に立ち続け、その生死の境界の中で戦闘技術を高めてきたベルカの騎士だ。 決着は一瞬でついた。 八神はやてが持つツインブレイズはヴィータの持つ槍で簡単に薙ぎ払われ その衝撃によって堪らず尻餅をつくはやての喉元に槍はそのまま突きつけられることになった。 このままヴィータの偽者に殺され、大切な家族を救うことなく死んでしまうのだろうか。 無手となったはやては悔しそうにヴィータを睨み付けた。 だけど、彼女の予想とは違っていつまで経っても、その槍ははやてを貫くことはなかった。 そのことに八神はやてが疑問を感じると、それに答えるかのようにヴィータの言葉がぶつけられてきた。 「何でだよ!」 ヴィータは吐き捨てるように叫んだ。 「何でお前はそんなにはやてに似てんだよ!」 彼女は八神はやてではない。 八神はやては足を動かせず、いつも車椅子に乗って移動をしている年端もいかない女の子だ。 何よりも自分の主である八神はやては簡単に他の人の命を奪うような人間ではない。 ヴィータの知る知識、持っている理性全てが目の前の人間を八神はやてでない、と言っている。 そう、断じて違うはずなのだ。 それなのに彼女はいつまで経っても、その槍先を動かすことが出来なかった。 「くそ! くそ!」 言葉に出来ない気持ち、身体を動かせない戸惑い。 その両方に苦しむヴィータはただ同じ言葉を叫ぶだけだった。 「……ヴィー……タ?」 はやてが呟いた言葉にヴィータの目が開かれる。 どうしても目に付くこの女と自分の主の類似点。 この女を見ているとどうしても思い出してしまう大切な主。 違う、違う! ヴィータは自分の頭に過ぎった考えを振り払うようにまた叫んだ。 「ウッセー! お前は喋るんじゃねー!」 ヴィータは手に持つ槍に力を込め、目の前の女を殺さんばかりの勢いで睨み付けた。 大体この女はギルモンを殺した憎むべき相手だ。放っておいていいはずがない。 このままにしていたら、自分の本当の主にも危険が及ぶかもしれないのだ。 するべきことは決まっている。こんな所で躊躇なぞしていられない。 そんな事は分かっている。分かってはいるけれど、ヴィータは動けなかった。 何故ならどう否定しようとも、相手が持つ顔は、声は、 自分が心から慕う八神はやての面影を強く残していたのだから。 「くそ! くそ! 何なんだよ、お前は!? 一体どうすればいいんだよ!?」 絶えず湧き起こり、自分でもその正体が掴めないその不確かな感情は、 彼女の中を満たし、既に溢れたそれは自分でも御しきることが出来ず、彼女を混乱させていった。 この女をギルモンのためにも、主のためにもブチのめさなければならない。 だけど、その肝心の相手が大切な人を思わせる姿形でいる。 その悪夢のような出来事は、例え目の前の人物がはやてでないと分かっていても 既に人としての感情を取り戻した守護騎士ヴィータを戸惑わせるのには十分なものだった。 「くそっ! くそっ!」 自分にはこの女を殺すことが出来ない。 忌々しいし、何よりもそんな自分を情けなく感じたが、 それがヴィータの出した結論だった。 彼女はその槍ではやての横のアスファルトを悔し紛れに思いっきり叩くと、 ギルモンの死体とバッグをかつぎ、逃げるように飛び去っていった。 * * 飛び去っていくヴィータを呆然と見つめるはやてに キングは飄々とした感じで話しかけた。 「弱っ! 君、マジで弱すぎ! そんなんでよく武器を持って立ち向かう気になれたよね。 君、馬鹿なんじゃない?」 人を馬鹿にしたような台詞に思わずはやては相手を睨み付ける。 しかし、キングはそれをどこ吹く風といった具合に相変わらずの口調で話しかけた。 「で、どうすんの? このまま大切な家族の偽者をのさばらせといていいわけ?」 「……勿論、追いかけるに決まってるやろ」 その言葉を聞いてキングは顔に浮かべていた笑みを一層増長させる。 だけど、続いて聞こえてきた言葉には拍子抜けするものを感じた。 「せやけど、今の戦いで足を捻ってしまったみたいなんよ。 私は地上本部の医務室に行って手当てしくるから ほんま悪いんやけど、その間辺りを見回ってもらえへん?」 「ダッセ! マジでダセーんだけど!」 余りに弱い人間。一瞬で戦闘が終わってしまうほどの非力さ。 こんなんで本当に自分を楽しませてくれるのか。 そんな疑問が湧き出ると同時に、いっそこのまま殺してしまおうかという思いが湧く。 だけど、キングは何とかその気持ちを抑えることが出来た。 人間にとって忌むべきはずの命を奪うという行為を 平然とやってのける八神はやての家族に対する思い、執念。 その異常ともいえる人間の姿など、そう滅多に見れるものではない。 きっとこの女はまだまだ楽しませてくれるはずだ。 それに戦力が足らないというのであれば、自分がそれとなくバランスを取らせてあげればいい。 戦力をある程度均衡にすれば、あんな一方的で一瞬で終わることもなく、 もっと存分にお互いを罵り合い、憎しみ合い、殺し合ってくれることだろう。 そうなれば、きっと先程より面白いショーが見ることが出来るはずだ。 そうしてその果てにどちらかが倒れたなら、残っている方に真実を教えてやればいい。 君たちが戦って、殺してしまったのは、君の本当の家族なんだよ、と。 その後の彼女たちの反応が楽しみだ。どんな顔をして楽しませてくれるだろう。 泣くか、悲しむか、怒るか、笑うか、狂うか、絶望するか? 全く人間とは本当に笑わせてくれる生き物だ。 「まあ、いいや。でも、早くしないと、あの偽者の子がどっか行っちゃうよ♪」 キングは顔の下にある酷薄な笑みが表に出るのを我慢しつつ、いつもの調子で話しかける。 そうして彼は心底愉快な気持ちで、足取り軽く、辺りの警戒に向かっていった。 * * キングが歩き出すと同時にはやても立ち上がり そして足を引きずり、痛そうに歩きながら地上本部へ戻っていった。 しかし、彼女はキングが完全に視界から外れることを確認すると、 その怪我したはずの足で平然と歩き始めていった。 そう、実際に彼女は怪我などはしていなかった。 ただキングという騒々しい馬鹿に邪魔されず、 一人落ち着いて考える時間を得るための方便だったのだ。 そして医務室に辿り着き、そこのベッドに腰掛けると、 彼女は早速先程に起こった一連の出来事について考えをまとめ始めた。 先の事で確認出来たことは三つ。 ヴィータを姿をした女の子は自分のことを知らないこと、自分の名前を知っていること、 そしてあの恐竜が死んで激昂したこと、恐竜の死体を持ち去るという非合理的な行動をしたこと、 何より殺人を躊躇ったことからして、人としての感情を持ち合わせている節があるということだ。 以上の三つだが、これだけでは答えなどは生まれず、茫漠とした考えが広がるだけだ。 しかし、そこにプレシアが持っているアルハザードの技術を当てはめると、事は違ってくる。 アルハザードは不可能を可能にする技術の集合体だ。 それを考慮すれば、幾分か馬鹿げているとは思うが、はやてには幾つかの可能性が思い浮かべることが出来た。 それは彼女が平行世界、異時間のヴィータであるということ、 もしくはそれらを元に作られた複製プログラム体。 普段ならこんな突拍子なく、滑稽な考えなど笑い飛ばしていたことだろう。 だけど、今は違う。寧ろ、そうでなくては困るくらいだ。 手に入れるべきものが自分の想像を遥かに超えるほど優れた技術であるなら それだけゴジラを倒す公算も高まるのだから。 そして彼女はこの世界に来て以来、いや、家族を失ったあの日以来、 本当に僅かだが初めて本当の優しい笑みをこぼす事が出来た。 もう二度と会うことが出来ないと思っていたヴィータに会うことが出来たのだ。 それはどんな邂逅であれ、嬉しくないわけない。 だけどそれも束の間、次の瞬間にははやての表情は元通り冷たいものとなった。 あの「ヴィータ」が「ヴィータ」であることは認めよう。 淡々とした表情で彼女はそう結論づけた。 ヴィータと同じ顔、姿、声、そして相手をつっぱねながらも、どことなく思いやってくれる性格。 彼女はそれを有していた。それは自分が同じ時間を過ごしたヴィータと変わるところがない。 だけどそれでも、はやては今以上彼女に心を許すことが出来なかった。 自分にとって本当の家族は、あの日、自分のために人柱となった守護騎士たちなのだ。 彼らは今も結界妖星ゴラスの中で苦しんでいる。 それなのにそんな彼らを放っておいて、他の人に笑いかけるなど、はやてには出来るはずもなかった。 そんな事をすれば、自分のためにその身を投げ打った家族の思いを踏み躙り、彼らを裏切るようなものだ。 彼女には家族を裏切るということだけは絶対に出来なかった。 だが、実際問題、あの「ヴィータ」は戦力となりうる。 彼女が「ヴィータ」であるならば、それは当然だろう。 そしてそれならば利用しない手はない。 あの「ヴィータ」が望む八神はやてを演じて、存分に道具として使い果たしてあげよう。 自分の本当の家族、ヴィータたちに会うために。 確かに先程は誤解により悲劇が起こってしまったみたいだが、まだ取り返しはつくだろう。 何といったって自分は八神はやてなのだ。 それは先程彼女が自分を殺さなかったことからも証明されている。 きっと付け入る隙はあるはずだ。 そこまで考えると、突然と医務室の扉が開かれた。 「ねぇ、いつまで待たせんの?」 ノックもなしに勝手に入ってくる不躾さ。 それだけでもこのキングがどれだけ人として不完全かを教えてくれる。 「あぁ、ごめんな。足の治療の他にも何か使えそうな薬、探してたんよ」 そう言い、いつの間にか手にとっていた治療薬を見せる。 ふーん、と興味なそうな顔をキングはぶら下げる それを尻目に八神はやてはもう一つの問題、キングについて思考を巡らした。 最初は駒として利用してあげようかと思ったが、この男はその価値もないクズだ。 状況をわきまえず、絶えずヘラヘラと笑い、緊張感を持たないカス。 人を小ばかにしたような尊大な態度を取るくせに、念動力しか使えないという戦力的に無意味なゴミ。 こんな人間の失敗作のような奴と一緒にいては、 十分に戦力が確保されることになっても士気低下に繋がりかねない。 戦闘において士気の差が実際の戦力以上に戦局を左右することは、 既に幾つかの知識と自らの経験において、はやては知っている。 なればこそ、士気の低下を招きかねないこの軽薄な小僧は邪魔でしかない。 いや、士気の低下だけで済めば、まだ良い方だ。 問題なのは、この低能のおかげで重要な戦力が削られてしまう可能性があるということだ。 例えばはやての知り合いであるなのはやフェイトなら、相手がどんな能無しであれ、 その人の身に危険がせまれば、身を挺しでも守ろうとする。 その結果、貴重な戦力が失われることになってはいけないのだ。 おまけにこのキングはこの状況に危機感を持てないほど頭が悪い。 自然となのはたちのような心優しき馬鹿の懸念を買ってしまい、 戦力の損失を招いてしまう可能性が高くなる。 そうならないためにも、早急にこの間抜けを排除する必要がある。 大体、あの「ヴィータ」との確執もこのアホが原因のような気がする。 八神はやては憎しみが表に出ぬよう、努めて愛想笑いを顔に浮かべた。 確かにこの愚物に対する判断を誤り、言を聞き入れてしまった責任ははやてにもある。 何ら身元が保証されていない民間人の発言を信じてしまうなど 部隊の指揮官としてはあってはならないミスだ。 だけど、彼の要らぬ助言のせいで、あの戦いの幕が上がったことも確かだ。 彼の言葉に嘘や悪意があったのかというのは彼女には分からない。 彼が見て、感じてきたことを素直に教えてくれたかもしれないし、 自分を嵌めようと何かを企んでいたのかもしれない。 だが、どちらにしろ、キングは排除すべき存在だ。 何故なら、嘘を吐いたのなら彼はゲームに乗った悪人であり、 嘘を吐いていないのなら、正確な情報を伝えることが出来ない無能ということだからだ。 そのどちらもはやてのの望む戦力に必要はない。 医務室の扉を出て、先を歩くキングの背中を見つめる。 今ならやれるだろうか。 思わずツインブレイズを持つ手に力がはいる。 そしてそこから発せられる収束されたエネルギーが 鮮明に奴の背中を貫くところがイメージでき、はやてを愉悦に浸らせる。 だけど、今の自分で勝てるかどうか不安なところがある。 如何にSSランクを誇る魔導師であれ、自分にはデバイスもない。 加えて自分の本分は遠距離からの圧倒的火力による制圧、殲滅にある。 接近戦では先の二の舞だろう。 やはり他の仲間に合流するまでは控えたほうがいいかもしれない。 いや、そもそも自分でやる必要はどこにもない。 先の出来事を全てキングのせいにして、ヴィータに殺させてみようか。 それならば自分はリスクを負うことなく、事を成し遂げられる。 いい策だ。 だが、それにも問題がある。 「ヴィータ」に会うまで、このクズと同じ時間を共有しなければならないということだ。 自分の持つ時間は自分の家族にこそ捧げるべきもの。 間違っても、この汚物のような人間にではない。 はやては腸が煮え返るのような思いで決意した。 いいだろう。 「ヴィータ」に会う前にチャンスが見つかれば、遠慮なく殺してあげよう。 その存在が誰にも見つからないように、優しく、丁寧に、丹念に殺しぬいてあげよう。 八神はやてはその顔の下で誰にも気づかれぬよう冷たく笑った。 【1日目 深夜】 【現在地 E-5 地上本部】 【八神はやて(sts)@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS】 【状態】健康、怒り 【装備】ツインブレイズ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式×2、ランダム支給品1~3個(武器では無い) ランダム支給品1~2個(キングから貰いました) 医務室で手に入れた薬品(消毒薬、鎮痛剤、解熱剤、包帯等) 【思考】基本 プレシアの持っている技術を手に入れる 1.「ヴィータ」を追いかけ、彼女を戦力に加える 2.チャンスがあればキングを排除する 3.首輪を解除できる人を探す 4.プレシアに対抗する戦力の確保 5.以上の道のりを邪魔する存在の排除 【備考】 ※参戦時期は第一話でなのは、フェイトと口喧嘩した後です ※名簿はまだ確認してません ※プレシアの持つ技術が時間と平行世界に干渉できるものだという考えに行き着きました ※ヴィータの他、この場にいるかもしれない守護騎士たちに優しくするのは、 自分の本当の家族に対する裏切りだと思っています ※キングのことは、ただの念力が使えるだけの少年だと思っています 【キング@魔法少女リリカルなのはマスカレード】 【状態】健康、非常に上機嫌。一時間変身不可(コーカサスビートルUD) 【装備】無し 【道具】ライダーベルト(カブト)@魔法少女リリカルなのはマスカレード キングの携帯電話@魔法少女リリカルなのはマスカレード 【思考】基本 この戦いを全て滅茶苦茶にする 1.面白そうだから、はやてとヴィータの戦いを見物する 2.カブトの資格者を見つけたら、ゲームでも持ちかける。でも、飽きたら殺す 3.はやてとヴィータの決着が着いたら、残ったほうに真実を伝えて、その反応を楽しむ 4.とにかく面白いことを探す 【備考】 ※制限が掛けられている事に気がつきました ※ゴジラにも少し興味を持っています ※携帯電話は没収漏れです。写メ・ムービー以外の全ての機能は停止しています。 ※携帯には相川始がカリスに変身する瞬間の動画等が保存されています。 ※キングの携帯に外部から連絡出来るのは主催側のみです。 ※カブトの資格は持っていません ギルモンの死体を担ぎ、彼をどこかに埋葬してやろうとヴィータが奔走していると 突然と遠くから声が聞こえてきた。 足を止め、その内容を聞いてみると、 どうやら声の持ち主は時空管理局執務官のクロノ・ハラオウンであるらしいことが分かった。 「あいつか……」 ヴィータは呟く。 彼女は彼のことをいつかの対峙とその時のご大層な名乗りのおかげで覚えていた。 だけど、問題は彼が誰かということではない。 これから彼に対してどう振舞うべきかだ。 普段のヴィータなら管理局などに助けなどは求めはしない。 自分の主を捕らえようとする勢力だ。当然、排除して然るべき相手だ。 だが、今は普段とは状況が違う。 この殺し合いという狂ったゲームの真っ最中だ。 更に未だ主を見つけられず、いつ主を殺されてもおかしくない状況。 管理局の連中に助けを求めた方がいいのではないか。 非殺傷を旨とし、正義のお題目を掲げる管理局員なら、 こんな状況の中でも、殺人を良しとせず、主の命を守ってくれるのではないか。 そんな考えが彼女の頭の中に過ぎる。 だけど、それには当然無視出来ないことが付いて回る。 管理局員と一緒にいれば、殺し合いを無事に脱出できたとしても、 闇の書の主である八神はやては当然管理局に逮捕されてしまうことになるだろう。 そうなれば、あのみんなで過ごした幸せな生活は二度と送ることが出来なくなる。 「そんなのは嫌だ!」 ヴィータは思わず叫ぶ。 闇の書の守護騎士プログラムとして長きに渡り生きてきた中で、 図らずも手に入れることが出来た幸せ。 戦いに明け暮れていた自分たち守護騎士が主と共に笑うことの出来た日常。 それは彼女にとって掛け替えのないものだった。 それが失われるのは、彼女にとって我慢のならぬものであった。 だけどこのまま自分一人では、未だ見つからぬはやてを守るというのにはどうしても限界がある。 「くそっ! 一体どうすればいいんだよっ! なぁ、はやて!!!」 彼女の悲痛な叫び声が夜に木霊した。 【1日目 深夜】 【現在地 D-4】 【ヴィータ@魔法少女リリカルなのはA s】 【状態】疲労(小)、左肩に大きな切り傷、激しい怒りと悲しみ、激しい迷い 【装備】ゼストの槍@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式×2、デジヴァイスic@デジモン・ザ・リリカルS&F ランダム支給品0~3 【思考】 基本 はやてを救って、元の世界に帰る 1.クロノに対する行動を決める 2.ギルモンを埋葬する 3.八神はやて及び他の守護騎士たちとの合流 そして彼らに偽者の八神はやてがいて、殺し合いに乗っていることを伝える 4.ヴィヴィオを見付けた場合は、ギルモンの代わりに守ってやる 【備考】 ※はやて(StS)を、はやて(A s)の偽物だと思っています ※デジヴァイスには、一時的に仮パートナーとして選ばれたのかも知れません。 ※なのは達のデバイスが強化されたあたりからの参戦です Back 最初からクライマックスなのか!? 時系列順で読む Next コピーベントの罠! ナンバーⅤ危うし(前編) Back 最初からクライマックスなのか!? 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魔法少女リリカルなのはReflection@wiki テスト運用です。 5年以上なのはから離れていた人から、常に雑誌・ゲーム・コミカライズをチェックしている人もいるので ゲームとの違いについてや、個人上映会をしてみたい、等スレとかで荒れそうだったり情報の扱いが難しいものについて こちらに退避して議論して頂く等の使い方を想定。基本自由に使って下さい。 公式HP 最新情報はこちらを参照して下さい。 魔法少女リリカルなのはReflection 概要 リリカルなのはシリーズ劇場版第3弾 公開日 2017年7月22日 上映館 THEATER(外部サイト) 注意事項 シリーズの呼称・表記について 作品 推奨表記 注意 TVアニメ 魔法少女リリカルなのは 1期,無印 1期を指すのかなのは全体を指すのか明確に 魔法少女リリカルなのはA s 2期,TV版A s 劇場版・PSP版と混同し易い場合特に注意 魔法少女リリカルなのはStrikerS 3期,StS 魔法少女リリカルなのはViVid V,ViVid ○期の表記は危険 ViVid Strike! VS,Strike 劇場版 魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st 1st 1nd表記は禁止 魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A s 2nd A s 2st表記は禁止 魔法少女リリカルなのは Reflection Ref,なのはR <名称未定>(Refの後編) R後編,次回作 取扱注意 PSP版 魔法少女リリカルなのはA s PORTABLE -THE BATTLE OF ACES- BOA , BoA 魔法少女リリカルなのはA s PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY- GOD , GoD 要望 雑談は雑談へ
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高町なのは 初登場話 26 ワロトバの森 ~ダエジーの野望~ 死亡話 286怨鎖の雷と光の矢 登場話数 20話(多部作を含むと30) 現在状況 二日目の朝にA-3で死亡 初期支給品 コエカタマリン、時限爆弾、じゃんけん札 追加支給品 エルフの飲み薬、胡蝶夢丸、ゴロンの服 所持スキル 説明 魔力 魔力を有するが、世界設定上デバイスなしの攻撃は弱い。防御魔法は強固。 デバイス操作 デバイスの操作に優れる。特にレイジングハートの扱いに優れる。 空戦魔導師 実は運動音痴だが、魔法戦闘(特に空戦)は既に相当な腕前 キャラとの関係(最新話時点) キャラ名 関係 解説 初遭遇話 レイジングハート・エクセリオン 仲間(物) 高町なのはのデバイス。魔法少女リリカルなのは出典。 ロワ内では再会していない。 バルディッシュ・アサルト 仲間(物) フェイト・テスタロッサのデバイス。魔法少女リリカルなのは出典。 ロワ内では再会していない。 グラーフアイゼン 仲間(物) ヴィータのデバイス。魔法少女リリカルなのは出典。 ロワ内では再会していない。 リインフォースⅡ 不認知(物) 八神はやてのデバイス。時系列的に認知していない。魔法少女リリカルなのは出典。 ロワ内では遭遇していない。 ニケ 友好 仲間だった。悪魔呼ばわりに耐えきれず逃げ出した。 26 ワロトバの森 ~ダエジーの野望~ エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル 中立 目的は同じらしいが、衝突。歪んだ正義を指摘された。 61 天丼 ~それは小さなお約束なの~ ヴィータ 険悪 元世界の仲間。暴走したので手足を壊した。 73 それはきっと唯一の方法 才賀勝 友好 別行動していた仲間。何処かで、何故か、死んだ。 73 それはきっと唯一の方法 インデックス 仲間 自分を止めてくれた仲間 123-1 それは狂的なまでに(前編) アラストール(コキュートス) 友好(物) インデックスの支給品。本来の持ち主であるシャナに所在を伝えた。灼眼のシャナ出典。 123-1 それは狂的なまでに(前編) 犬上小太郎 友好 一時力を合わせた。伝言を担い別れた。 158-1 運命のルーレット廻して(前編) 古手梨花 その他 学校で出会い、別れた。エヴァに殺されたらしい。 158-1 運命のルーレット廻して(前編) リンク 仲間 自分を止めてくれた仲間 158-1 運命のルーレット廻して(前編) 李小狼 その他 灰原哀を殺す事で生かした。 158-2 運命のルーレット廻して(中編) 灰原哀 その他 選択肢を突きつけ、結果として死亡した。 158-2 運命のルーレット廻して(中編) 江戸川コナン その他 ヘンゼルを殺す為に諸とも焼き殺した。 158-2 運命のルーレット廻して(中編) ヘンゼル 敵対 その狂気を理解し、救えないと知り、殺した。 158-2 運命のルーレット廻して(中編) ブルー 敵対 悪人。フェイト殺害容疑者の一人。 158-3 運命のルーレット廻して(後編) イヴ 敵対 悪人。フェイト殺害容疑者の一人。ひめの名でも知る 158-3 運命のルーレット廻して(後編) フェイト・テスタロッサ 仲間 元世界の親友。見つけた時には死んでいた。 158-3 運命のルーレット廻して(後編) リリス 敵対 エヴァに重傷を負わせたジョーカー。逃すよりは殺そうとしたが―― 170-1 あの日あの時あの場所で(前編) グリーン 敵対(不認知) リリスの抱えていた子豚。 170-1 あの日あの時あの場所で(前編) アリサ・バニングス 仲間 元世界の親友。絶交しかけたが、自分を止めてくれた 170-2 あの日あの時あの場所で(後編) 八神はやて 仲間 元世界の親友。誤殺してしまう。 170-2 あの日あの時あの場所で(後編) カレイドステッキ 仲間(物) アリサの所持品。Fate/stay night出典。 170-2 あの日あの時あの場所で(後編) 吉永双葉 中立 情報を交換し、アリサを頼んで別れた。 171-1 大した事じゃない(前編) シャナ 中立 情報を交換し、アリサを頼んで別れた。 171-1 大した事じゃない(前編) 三宮紫穂 その他 危険かは不明。双葉達の仲間。 171-1 大した事じゃない(前編) 白レン 敵対 危険だと判断し殺害した白猫。 171-2 大した事じゃない(後編) トマ 友好? アリサとはやての仲間。電話で情報を交換した。 171-2 大した事じゃない(後編) 摂津のきり丸 不認知 切り裂かれた砲撃の先に―― 172 「最悪」の向こう側 パタリロ=ド=マリネール8世 その他 エヴァに氷漬けにされていた人物。 242-1 許されざる者(前編) グレーテル 敵対 工場にやってきて、リンクを殺した 280 想いは百秒で砕け散る 最終状態 二日目朝にA-3工場でグレーテルのエナジードレインを食らい続け、衰弱死。 死体は放置されている。 踏破地域 B-6(山の麓)→B-5(山頂→山小屋)→A-4(上空)→D-4(学校)→B-3(廃病院)→A-3(工場) A B C D E F G H ■■■■■■■■1 ■■■■■■■■2 □□■■■■■■3 □□□□■■■■4 ■□■■■■■■5 ■□■■■■■■6 ■■■■■■■■7 ■■■■■■■■8